家族になって初対面に威嚇されたのを思い出す。着地が下手な女の子が好きな猫でした。
仏壇の脇に木造りの戸棚があります。
その上に、綺麗な袋に包まれた骨壺があり、中には飼い猫の「トラ」の遺骨が入っています。
もう何年前になるかな、初めて飼った猫が他界しました。
正確に言えば2匹目です。
1匹目は生まれて間もない赤ちゃんで、2、3日後に死にました。
20年位前かな、トラが我が家の家族になったのは。
家族は誰もペット斎場に収めようとは言いません。今でも家族なんです。
ペットとの生活は楽しいですね。でも、いつかは別れの時が来ます。長年飼っていたペットが旅立ちました。
ちょっと前に突然他界した飼い猫の事が頭をよぎる
私の家の飼い猫の話をしたいと思います。
いつも通りのしぐさで今日もうちの猫が傍にすり寄ってきた。足に体を摺り寄せてナデナデを要求している。
濡れている鼻を私の足にこすりつけている。撫でていると飽きたのか両手で私の手を挟み付けて振り払う仕草をした。
何時もだと気まぐれな猫は少し爪をたてる。
急いで振り払うと傷をつけられるが今日は妙にやさしい。いつもの窓際の定位置で寝る準備をしている。
猫の名前は姿そのままのトラ。安易な名づけだな。
私は庭で小さい畑を作り、旬の野菜を育てている。
記録的な長雨でトマトが酷い状態になっていますので、ちょっと様子を見に庭に出た。案の定、色が悪いし、結構虫の穴が開いているのが多い。
ちょっとがっかりな今年の夏である。
かみさんが大事にしている植物の葉に揚羽蝶の幼虫がたくさんいて、葉を食い荒らしているのを見つけ駆除している時でした。
家の中から妻の声がしました。
何にかなと思い、戻ると妻がソファーにしゃがみこんでいる。
傍に娘もいる。両手の上でトラが横たわっていた。
トラが死んだ。16歳の夏 珍しく少し晴れている
妻が頭を撫でている。
じゃらして遊んでいるのかと思ったが全然動かない。慌てて胸を撫でて、心臓の辺りを押してみたが反応なし。
呼吸をしていない。10分前には元気だったのに。妻がだらんとしている舌を口の中に優しく押し込んでいた。
半開きの目も撫でる様にして閉じてやった。
監督から頂いた子猫
トラは息子が小学生の頃、所属しているサッカークラブの監督から貰ってきた子猫でした。飼っている猫が子を産み、頂く約束をしたようである。
トイレとかの躾(しつけ)を受けてから頂くことになっていて、私以外は待ちどおしかったらしい。
私が初めてトラと会ったのは、家に帰っていつものようにソファーの定位置で胡坐をかいている時でした。
見慣れぬ生き物が私の前に現れ、毛を逆立てて威嚇(いかく)している。
その姿は、幼いながらさすがにトラ科(調べたらネコ科でした)と思わせたが、なにぶん子猫で迫力がない。
私はどちらかと言うと猫は好きではない。
小学校の頃からよく化け猫の映画を見せられたせいかもしれないし、飼っていたアヒルが猫に襲われて大けがをした事にも原因があるかもしれない。
その時の記事ですが宜しければどうぞ。読んで頂けると記事を書く励みになります。
何が大変かというと、家猫にしたいので外に出さないようにすることですね。よく車に轢かれた(ひかれた)無残な猫を見るからです。
猫は普段は用心深いが、突然車が近づくとびっくりしてしまいます。そして止まらずそのままかけていくのが原因ですね。
家猫にはなれなかった
そんな訳で一応家猫にしたつもりだが結構無断外出はしましたね。
一回出ていくと2時間は帰ってこない。
普段は出さないようにしているのだが、つい忘れて不用意にドアを開けると、後ろからついてきて私をすり抜けて四方を見渡している。
アッと思う間も無く「行ってきまーす」てな感じで走り出す。
大体最初は車の下に入って様子をうかがっているが呼べど叫べども来ない。この辺が犬と違うところである。
仕事に遅れてしまうので轢かないように超低速で車を動かすが、本当に冷や冷やものです。
帰宅してから家族に聞くと、2時間位で戻ってきたらしい。
猫は行動範囲が狭く、大した距離は移動しないらしい。
やはり事故とか病原菌を持って帰ったりするのが心配で、戻ってくると掴まえて風呂場に直行ですね。
嫌がるトラの全身をシャンプーで洗濯だ。
妻とトラが浴室で大騒ぎしている。
何回目かに脱走した時には向かいの女の子に「トラちゃん」と呼ばれている。
ちゃっかりしたもので頭を撫でられてなついている。
でも私が呼んでも戻ってこない。どこかの家では違う名前で呼ばれているのかも。
食事を済ませて晩酌を楽しむ。その頃合いを見計らって玄関ドアを開けるとトラが座ってこちらを見ている。
ニャーンと泣きながら入ってくるが、まるで「なぜドアを早く開けないんだよ」て言っているようです。
勝手なもんだ。
トラはトイレは必ず家の中の指定の場所でする。
「お腹がへるか、トイレを催すと帰ってくるんだよ」と妻が笑いながらよく言っていた。
トラは去勢することになりました。
妻が動物病院に連れて行ったようです。オスは盛りが付くと家の中が臭くなると誰かに聞いたようです。
帰ってからその話を聞いた時、なんか変な気持ちがしました。何となく元気のないトラが毛布の上に座って私を見ています。
俺、男でなくなった。
歯が悪い 猫のくせに着地失敗
猫の歯は大人で30本。そのうち長い鋭い犬歯が2本。
大人になった頃かな、2階の踊り場から飛び降りたのだが、残念ながら着地が下手で顔面着地をしてしまった。
そのことを聞いて笑ってしまったが・・・。
次の日になってトラがうずくまって苦しがっている。
妻が直感でひょっとして歯が痛いのではと言い、動物病院へ連れて行った。
案の定、落ちた時に犬歯を痛めて化膿したとの事。
帰って来たトラの口から犬歯が1本消えていた。早く気が付かないで可哀そうなことをしたと心から思った。
あくびをするたび犬歯が無いのを見ると可哀そうにな。と思う反面、ひょうきんな顔になったなと感じた。
でも、他の猫は1回転して上手に着地するのに・・・。
着地失敗がトラウマに
ある日2階の出窓を開けて外を眺めていると、スーッとトラが飛び上がってきた。
アッと思う間も無く屋根に飛び降りた。
あいつ降りられるのかと不安になって下を見ると、案の定、屋根をうろうろと端から端まで歩き回っている。
着地に失敗して歯を痛めたことがトラウマになっているのかもしれない。
窓の下からこちらを見上げているが上がれない。仕方なく屋根に降りようと思ったが結構な高さである。
やっと屋根へ降りた。
トラは大人しく座って待っていた。抱き上げて手を伸ばし出窓へ上げてやったが、今度はこちらが上がるのが大変。
結構、生き物を飼うのは骨が折れる。
でも、もうトラはこの世にはいません。
トラは市のペット葬祭場で火葬にした。
娘が可愛い骨袋をプレゼントしてくれました。
近所の方から頂いた花と好きな餌の缶詰めに囲まれて・・・。
幸せなトラ9月1日永眠。
「もぞこいペット達」に関する記事をまとめています。よろしければどうぞ。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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